荒木愛弓 ブログ

大切にしたい「食」の在り方

 

食べるということは、いのちを結ぶこと。

食べるということは、身体に直接いのちを取り入れて、自分の生きる糧にすること。

 

 

「いのちをいただく」ことによって、私たちは今日も、生かされています。

 

 

「いただきます。」という昔からある日本の言葉の内側には、「あなたの命を感謝して、いただきます。」という祈りや敬意が込められている。

 

 

「何を食べるか」は重要ではありますが、命をいただく前提として、「どのような心で食べるか」を、とても大切にしたいと感じています。

 

 

世界最古のインドの生命医学・アーユルヴェーダでは、食事はプラーナ(生命エネルギー)をいただく行為であり、他の命を自分に結んでいく行為。そして、食べるときの心構えが身体と心の栄養、消化に大きく影響を及ぼすと考えられています。

 

 

毎日食卓に並ぶ食材、自分の口に入る食べ物に想いを巡らせていくと、その食材、素材そのものは大地や太陽、水や空気、この宇宙に存在する万物のエネルギーによって、適切な自然の循環の中で生まれています。そして、愛情を持って見守り、大切に育てている生産者さんがいます。

 

(写真:未来派カゾク農園の松本さん)

 

畑から工場やお店へ、または、直接、生産者さんからわたしたち消費者へ。お店に並んでるたくさんの食材、食卓に並ぶ食べ物は、自然から生まれ、人から人へと様々なプロセスに経て、私たちの口へと運ばれています。

 

実際に自分の目で直接見ることができなくても、こうしたプロセスが確実に存在していることを知り、一つ一つプロセスに対して、私たち人間が持っている想像力をはたらかせて、「食べる」という一つの行いの中にある「全体性」をいつも大切にしたい、と思っています。

 

そういったことを心の軸におきながら、自身の身体と心が「いま、何を食べたいと感じているか」、身体と心の対話を大切にしながらいただきたい。

そして、「これがいけない、これはだめ」と食事を制限するのでなく、食べたいものを素直に選び、心にも健やかな栄養が循環されていくように、自分らしく、たのしく、おいしく、ありがたく食べること。

 

そのことを、いつも心においておきたいと思っています。